そうだ、大学職員になろう 〜元銀行員が語る転職とかの話〜

銀行員から大学職員へ、サラッと転職した人のブログ。大学職員専用の転職ノウハウをつらつらと。

これから地方大学はヤバイのか。

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「定員割れの大学が増えている」

 

って聞いたことありませんか?

 

全国の私立大学のうち、

2015年度は

43.2%に当たる25

と文部科学省が発表しています。

しかも、定員の50%にも届かない大学が13校もあるんだとか。

 

定員割れする大学を、今日は「立地」をキーワードに見ていきます。

 

 

 

大学のメイン収入源は「入学金・授業料」

 

普通の企業であれば、

日々の売上を積み重ねることによって1年間の収入となりますが、

大学は、新入生の数が一度確定してしまえば、

その後1年間の収入はほぼ確定してしまいます。

 

つまり、この「学生数」が集まっているか否かが

「潰れない」大学を見極めるうえでは必須の情報となりまっせ、

というお話。

 

 定員割れ=定員充足率が100%未満

 

大学は学部学科ごと「定員」を定めて、文部科学省に届け出ています。

その定員に対して学生がどれだけ在籍しているのかを見れば、

学生集めが順調か、はたまたヤバそうかが見て取れます。

 

この定員に対する在学生の数の割合のことを

「定員充足率」

といいます。

 

「大学名 定員充足率」

 

で検索すると、HP上で公開している大学は

すんなりヒットするでしょう。

 

ちなみに、過去4年間の平均定員充足率が低いワースト10は

 

31.3%…苫小牧駒沢(北海道)

31.9%…松陰(神奈川県)

39.8%…保険医療経営(千葉県)

42.4%…開智国際(千葉県)

44.0%…宇都宮共和(栃木県)

46.9%…高岡法科(富山県)

51.4%…奈良学園(奈良県)

51.7%…稚内北星学園(北海道)

53.1%…愛知文教(愛知県)

53.9%…神戸医療福祉(兵庫県)

 

「危ない大学・消える大学2017」より

 

とのこと。

(さらに公開されているデータでは測定ができない大学が7校あるらしい。 )

 

ここまで定員が割れていると、

入学金や授業料収入は期待できず、

かなり経営厳しいはず。

 

当然、職員として門を叩くには

相当な理由がない限り見送りたいところ。

 

 

地方大学はヤバイのか。

 

過疎化、東京一極集中などが叫ばれる昨今、

大学経営も立地の影響を受けるのは

容易に想像がつくと思います。

 

 

エリア別の定員充足率を見てみると、

 

1.109.9%…東京都

2.107.6%…大阪府

3.106.3%…京都府

4.106.1%…愛知県

5.104.8%…神奈川県

19.94.3%…広島県

20.88.6%…四国

21.84.9%…東北(宮城県を除く)

 

日本私立学校振興・共済事業団 公表データより

 

やっぱあきらかに偏っている…!!

 

上位エリアは、

そりゃあもともとの人口も多いし、

学生だって都会に憧れますし、多少偏るにしてもですよ。

下位の方はエリア平均で定員割れてるってヤバイ。

 

しかも、世の中の情勢的には劇的な改善は難しいでしょう。

地方の大学ヤバイ。

 

(他に言いようはないものか。)

 

 

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結局のところ、立地はすごく大事。

 

前述のとおり、

立地が募集力に影響を与えているのはあきらか。

 

「潰れない大学」は、

学生数をしっかり確保できている大学。

そして学生確保の大きな要素の1つが「立地」。

 

どうしてもその場所に勤めたい理由が無い限り、

人口の多いエリアから求人を探すのが無難。

 

と、いうお話。

 

(逆に、立地が悪くとも、

しっかりとした教育を行い

学生を確保している大学もありますが。

そこを受ける際には、その事実自体が

志望動機と絡められます ↓ )

 

www.bank2university.com

 

 

新卒採用と中途採用の違い。

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大学職員は、中途採用が占める割合が比較的多いです。

新卒としての「就活」と、銀行を辞めて大学を受けた「転職活動」では

(転活っていうのかな…??)

違いが多く、初めは僕も戸惑いました。

 

まず、就活と転活(と呼ぶことにします。)の違いをまとめてみます。

転職全般的な話になってしまいますが、

大学を受ける際も必ず通る道として知っておいてください。

 

 

 

採用する側が重視するポイントが全然違う!

 

新卒採用は、就業経験が無い状態での採用ですので、

将来性やポテンシャルを重視して採用します。

大学時代頑張ったこと等を通じて自己PRをするわけですね。

(懐かしい。)

 

しかし。

中途採用は、実績や実務上での能力を必要とされます。

あくまで、仕事での結果やノウハウが、

大学(採用する側)にとってどう活きるのか。

それが最重要ポイントです。

「前の職場で、何をどれくらいやったため、

こういった能力が身についており、

大学でのこの仕事に活かせます」

といった、具体的かつ一貫性のあるストーリーを描きましょう。

 

提出書類が違う!

 

転職活動には、通常のエントリーシートや履歴書以外に、

「職務経歴書」が必要になります。

職歴を重視する転活ならではの書類です。

しかしこれ、意外にクセモノでして、

書式が自由なんです。

(その割に、しっかり書かないと面接にもたどり着けないという…。)

 

転職サイトで書式をダウンロードして加工するのが無難です。

 

マイナビエージェントあたりがだいぶ親切。

 

配属部署を想定して面接してくる!

 

新卒採用は、大量に採用して

年齢ごとの社員人数ピラミッドを保っていく狙いもあるため、

ポテンシャル(コミュ力がありそう、地頭が良さそう等)で採用して、

後から配属を振り分けます。

 

ところが、

中途採用=即戦力。

 

中途採用をかけるということは、

 

「すぐにモノになる戦力が欲しい

具体的な部署がある」

 

ということです。

 

そもそも大学職員の場合、

採用人数が5人以下の少人数になるケースも多いわけで、

尚更すぐに使えそうな人材を採りたいハズなのです。

 

(聞いた話だと、1人の採用枠に150人来るとかの世界らしいッス。)

 

自分の専門スキルや、職場で身につけたノウハウを、

いかに大学の具体的な部署にハメ込んで、ストーリーを展開していくか。

 

ここがキモになってくるわけでございます。

 

募集情報の収集が大事!

 

新卒は3月1日から解禁!みんな一斉にヨーイドン!なわけですが、

中途採用は人材が欲しくなったタイミングで求人募集をかけます。

大学ごとに本当にバラバラ。

なので、気になる大学があっても募集をしていなかったり、

求人募集を見つけたけど、エントリーシート締切が明日。。。

 

(これ実際僕もよくありました…。)

 

こういうことが多発しますので、情報を広く収集することが、

ナイスな求人募集に出会うポイントです。

 

大学職員の募集は、

マイナビ転職・リクナビNEXT等の大手転職サイトに

募集を出す大学もありますが、そこは何しろ人気業種。

 

応募の殺到を避けるために

「非公開求人」でエージェント系のサイトに出すこともあります。

 

あとは、優良な学校法人でも中規模程度で採用1人とかだと

「ハローワークと学校の公式HPだけ」という学校もあります。

大企業と違って人事部が数人しかいないのに、

何百通もエントリーシートが来たら困るということもあるようです。

 

(それでも相当応募来るみたいですけどね。)

 

ということで、広く情報を収集するために、

登録しておきたい転職サイトをのせておきます。

 

サイトで求人を探す場合は、

「学校法人」「大学」のキーワードで検索。

大学職員以外の求人が引っかかることが多いですが、

 

(一般企業も、学校法人や大学で引っかかるように

求人にキーワードをわざと入れ込んでいるような気がする…)

 

根気よく、定期的にチェックすることをオススメします。

 

 

おすすめ転職サイト

 

転職サイトで求人を探していくのが王道です。

大手だとリクナビNEXTがオススメ。

 

 

 

(この記事で詳しくまとめてあります。)

www.bank2university.com

 

 

おすすめ転職エージェント

 

転職エージェントは、非公開求人を扱っていることと、

担当のエージェントがサポートをしてくれることがメリットです。

特に大学職員は人気職種なので、

非公開求人で募集をかけている可能性もおおいにあります。

大手だとマイナビエージェントがオススメ。

 

 

 

エージェントは転職のプロなので、

大学職員をふくめ自分に合った転職が可能。

結局のところ幸せな転職ができれば、それでOKだと思います。

 

 

 

漏れなく情報を収集するには、

転職サイト・エージェント・その他を広く組み合わせていくのがいいのかなと思います。

 

(この記事で詳しくまとめてあります。)

www.bank2university.com

 

 

 

 

と、言うわけで。

新卒との違いをしっかりと把握し、

サクッと内定取ってさっさと転職しましょ。

 

 

財務諸表から「潰れない大学」を見極める

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各大学は、財務情報をホームページ上で公開しているわけですが、

(過去記事参照。)

 

www.bank2university.comしかし、なにをどう見ていいのかわからないのも事実。

そこで、まず「その大学が潰れないか」にポイントを絞って、

見ておきたい箇所を簡単に列挙していきます。

 

 

 

見ておきたい3つのポイント

 

事業活動収支計算書の「教育活動収支差額」「経常収支差額」が赤字でないか

 

その学校が「儲かっているのか」を見ます。

「教育活動収支差額」は、本業である教育活動で儲かっているか、

「経常収支差額」は、本業+本業以外で総合的に儲かっているかを表します。

両方とも、プラスだと黒字、マイナスだと赤字です。

赤字が大きい、何年か分を見たときに赤字が連続している、

といった場合は注意が必要です。

 

学校法人は儲け幅を大きくし過ぎると、

補助金が減額されてしまうなどのデメリットがあるため、

収支トントン~若干黒字辺りを狙うのが通常です。

 

それゆえに、

「大幅な赤字 or 連続した赤字でないかどうか」

がポイントとなるわけですね。

 

 

貸借対照表の「純資産の部合計÷資産の部合計×100」が90%前後か

 

一般の企業では自己資本比率と呼ばれる比率です。

法人が持っている資産のうち、何%が自前の資産かを示します。

この数値が高いほど、法人として体力があり、

経営が安定していると言えます。

 

学校法人の全国平均は90%弱と言われていますので、

90%以上あれば安心できます。

 

 

 

貸借対照表の「現預金」は充分にあるか

 

貸借対照表の「資産の部」の下の方に「流動資産」という項目があり、

その一番上にくる「現預金」。

まさに「おカネ」をいくら持っているかが示されています。

当然、多ければ多いほど良いです。

学校法人同士で比較する場合は、

「資産の部」に占める現預金の割合を比較するとよいでしょう。

規模に対して、どの程度おカネを持っているかがわかります。

 

実は現預金は、銀行員が企業に融資する際、

決算書の中でかなり重視する項目であったりします。

現金は最強の資産です。

 

 

財務諸表から「潰れない大学」を見る基本的なポイントは

以上の3点です。